世界最古の砂漠、ナミブ砂漠で見た圧巻の景色

世界最古の砂漠ナミブ砂漠はナミビアを代表する観光名所。ナミブ砂漠での経験は、最古の名にふさわしく、とても素晴らしく他に類を見ないものだった。ナミブ砂漠の主な観光スポットであるデューン(Dune)45にデッドフレイ。そこでは自然の美しさとともに、厳しさも垣間見ることができた。

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デューン(Dune)45

セスリウム(Sesrium)ゲートに着いたのが夕方6時。国立公園のゲートでチェックインをしていると、受付の人が日の入り時間まで2時間に迫っていることを教えてくれた。また、ゲートからデューン45までは60km/h制限で45分かかるとのこと。そのため、丘を登る時間も考慮して、テントを設営することなくデューン45に車を走らせた。

デューン(Dune)45
デューン(Dune)45の砂丘を登っている時の景色ナミブ砂漠の暖かな砂

順調に進んで、デューン45前にある駐車場に予定の45分で着いた。すでに夕方遅い時間だったが、気温はまだ30℃を超えている。日の入時刻の7:45まではまだ時間があったので、砂丘をゆっくりと登りながら、腰を下ろせる場所を探した。

砂丘を登るのは楽ではなかった。しかし、上に行くほど景色は開けていき、今までに見たことのない景色が目の前に広がっていた。砂丘の3分の2ほど登ったところで腰を下ろして、日の入を待つ。ナミブ砂漠はとても静かで、風と砂が舞う音以外は無音。

陽が沈むにつれて、風邪で波うった砂漠が金色や赤へと変わる。また、砂丘の砂を触ると、陽の温もりも感じられる。日の入までの間、砂漠の表面は常に変化していて、暖かいオレンジ、真紅、黄金と綺麗なグラデーションを写して出していた。

デューン(Dune)45からの日の入
デューン(Dune)45からの日の入

最古の砂漠で夕日をを楽しんだ後、公園のゲートまでの道のりを急いだ。まだ完全に暗くなりきっていなかったこともあり、運転中も砂漠の表面は刻々と色変えていた。ようやくゲートに着く頃には、空は完全に真っ暗。

砂漠の中でのキャンプは初めての経験で、空には一面の星が輝いていた。地表に広がる色のグラデーションに加えて、夜には満天の星空と大満足な1日だった。世界最古の砂漠で、テントから頭だけ出して、星を眺めながら最高の1日が終わった。

デッドフレイ(Dead Vlei)

翌朝は4時半に起きて、デッドフレイで日の出を見るために準備を開始。テントを畳んだ後、ゲート前に車を動かしたのが5:10だったが、すでにそこには3台の車がゲートが開くのを待っていた。

ゲートが開き、公園内の一本道を進む。デューン45の前を通り過ぎ、道の終わりまで走り続けること1時間弱。この先は完全な砂のオフロードになるため、私たちの四輪駆動でないセダンでは進むことができない。駐車場に車を停め、急いで国立公園が提供しているシャトル乗り場に向かった。チケット売り場から往復分のチケットを購入し、シャトルに乗り込む。

実際のシャトルの乗車時間は10分程と距離は短いが、砂のオフロードを走るためかなり揺れる。途中一台の四輪駆動のトラックが、砂の上で立ち往生していた。状況的に、そのトラックの人たちは間違いなく日の出のタイミングを逃したと思う。距離は短いが、砂の上での運転に自信のない人は、素直にシャトルを利用することをおすすめする。

日に照らされる前のデッドフレイ(Dead Vlei)

デッドフレイに向かって歩いていると、何人かの人たちがすでにデッドフレイの目の前にある砂丘の上から日の出を眺めているのが見えた。私たちは時間的に砂丘の上で日の出を見るのは無理だったので、デッドフレイに直行した。そのため、私たちがその日にデッドフレイに着いた最初のグループになった。

デッドフレイは風もなく静かだった。その静寂がデッドフレイの荒廃感をさらに引き立てているように感じた。

太陽の位置が高くなるにつれて、デッドフレイも次第に明るくなる。絵画のような景色で有名なシーンは、陽の光が砂丘の斜面のみを照らし、デッドフレイの地表がまだ影になっているほんの一瞬のみ。時間にして数分。陽が高くなるにつれ、日向のエリアがどんどん広がる。陽の光が影をどんどん押しやるのが、はっきりと見ることができた。

デューン45同様、デッドフレイでも光によって景色が変わっていく様をまじまじと観察することができた。自然の作り出す景色は本当に綺麗だった。

遠くアフリカの砂漠まで来ることは、間違いなく楽なことではない。しかし、この景色を見れば、誰一人としてその努力が無駄だったと感じることはない。少なくても、私たちはデッドフレイに来れてよかったと感じたし、また来たいと思えた。

デッドフレイ(Dead Vlei)での朝陽
デッドフレイ(Dead Vlei)での朝陽
陽の当たる前のデッドフレイ(Dead Vlei
デッドフレイ(Dead Vlei)での朝陽
陽が上がった後のデッドフレイ(Dead Vlei)
陽が上がった後のデッドフレイ(Dead Vlei)

陽が完全に上がりきるまで、デッドフレイで時間を過ごした。そして、デッドフレイから出る直前、デッドフレイの表面が脆いものだと気付いた(乾燥した粘土のようなもの)。はた目に見ているだけでは、硬い岩のように見えていたが、人が歩くごとに表面が簡単に削られていた。たくさんの人が訪れる観光名所だけに、今後も700年続いた素晴らしい景色が維持されればいいなと思いながら、デッドフレイを後にした。

デッドフレイ(Dead Vlei)からシャトル乗り場まで道
デッドフレイ(Dead Vlei)前にある駐車場とトイレ

9時半ごろにデッドフレイを後にして、シャトル乗り場がある駐車場に向けて歩き出した。30分ほどシャトルを待ち、車でキャンプサイトに戻った時にはすでに11時を回っていた。

アフリカ、南米、南極と4ヶ月の長期旅行の中でも、デッドフレイ(Dead Vlei)は間違いなくお気に入りの目的地の一つ。ぜひもう一度訪れたいと思った。距離的にも文化的にも遠い場所だが、訪れるための努力は間違いなく報われる。少なくても、日本では見ることができない素晴らしい景色に出会うことができる。

情報

国立公園

ナミブ=ナウクルフト(Namib-Naukluft)国立公園

入園料: 170 NAD(80 NAD / 人 * 2 + 10 NAD / 車両)

ゲートの開閉時間: 日の出から日の入りまでの間のみ国立公園内に入ることができる。私たちが訪れた日は夜8時半が閉門時間で、翌朝は5:10が開門時間だった。入園料を払う際に受付の人にゲートの開閉時間を確認すると計画を立てやすい。また、受付で公園内の地図ももらうことができる。

ナミブ=ナウクルフト国立公園に入るためには2つのゲートを通過する必要がある。1つ目はセスリウム(Sesrium)キャンプサイトに通じるゲートで、2つ目はキャンプサイトから国立公園に通じるゲート。1つ目のゲートが開く時間が日の出の時刻で、2つ目のゲートは日の出の1時間前に開く。国立公園内で朝陽を見たい場合は、セスリウム(Sesrium)キャンプサイトに泊まる必要がある。セスリウム(Sesrium)キャンプサイトは人気のキャンプサイトなので、事前に余裕を持って予約すること。

宿泊施設

セスリウム(Sesrium)キャンプサイト(国立公園内)

セスリウム(Sesriem)キャンプサイト

料金: 400 NAD(200 NAD / 人 / 泊)

支払: 現金のみ

チェックアウト: 10:00am

WiFi: 無

アメニティー: 無

食事: 料金には含まれていないが、受付横にバー付きのレストランが併設されている。

キャンプサイトはとてもきれいに管理維持されていた。利用可能な施設は以下。

  • レストラン(バー)
  • トイレ
  • シャワー
  • テーブルとベンチ
  • ゴミ箱

キャンプサイト内では受付、レストラン、トイレ、シャワー以外のところには電気がない。そのため、ヘッドライトがあると便利。

トイレとシャワーともにとてもきれいだった。キャンプサイトが砂漠の真ん中にあるため、夜に電気がついていても、虫が全くいなかった。

受付近くの場所を指定してもらうと、ゲートからも近く便利。

食事 / レストラン

セスリウム(Sesriem)

国立公園の入り口の近くにあるEugenガソリンスタンドにコンビニのようなものが併設されていて、パッケージ食品、パスタなどの麺、飲み物やパンを購入することができる。

国立公園内では受付の横にレストランがある。また受付内のお土産コーナーに簡単なパッケージ食品を買うことができる。しかし、値段は少し高め。

交通機関

デューン(Dune)45までの道は舗装されており、四輪駆動の車でなくても行くことが可能。しかし、デッドフレイ(Dead Vlei)までの最後の5kmが未舗装の砂の道になるので、四輪駆動の車でないと走行は不可能。四輪駆動でない車は舗装の終わりにある駐車場に停めて、シャトルに乗らないといけない。

デッドフレイ(Dead Vlei)までのシャトル

デッドフレイ(Dead Vlei)までのシャトル
シャトルのチケット売り場
シャトルのチケット

料金: 150 NAD / 人(往復)

支払: 現金のみ

乗車時間: 10分

シャトルに乗っている途中で、一台の四輪駆動のトラックが砂に捕まって立ち往生していた。砂の上の運転に自信がない場合は、素直にシャトルに乗った方が安心。車が立ち往生して、朝陽を逃したとなったら悔やみきれない。