今まで運転中に野生動物に囲まれたことってある?ほとんどのサファリはツアーガイドと運転手が添乗してくれて、ツアー客として座っているだけの受け身なものが多い。エトーシャ国立公園では、そんな受け身のツアーとは正反対のサファリがあなたを待っている。20,000平方km以上の国立公園内を自分で運転しながら、動物を探すことができる!
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2016年12月18日、前日の長距離運転と深夜バスの疲れから、午前中はホテルでゆっくりとしていた。その後、午後の2時にホテルを出発し、いざエトーシャ国立公園へ。
国立公園に近づいていくと、ゲートを通過していないにも関わらず、牛、イノシシ、シマウマ、インパラなどの野生動物が現れ始めた。夕方の4時半、ようやくエトーシャ国立公園の北側にあるKing Nehale Iya Mpinganaに到着。ゲートには私たちの車以外はおらず、ゲートでのチェックもスムーズに終わった。
セキュリティーチェックを終え、いよいよエトーシャ国立公園での2日間に渡るサファリが始まった。
夕方のサファリ(2016年12月18日)
ゲートを通過してすぐにサバンナを歩く大きな牛の群れに遭遇。飼い主らしき人も一緒に歩いていたので、野生ではなかった。それでも、ゲート通過後すぐということもあり、エトーシャへの期待が大きくなるには十分だった。
広大なサバンナの走り抜けると、車道は高さの低い木が生い茂る森に着いた。空では雲が厚くなっており、小雨が降り始める。しかし、これから遭遇するであろう大自然や野生動物への想いがいっぱいだったためか、悪天候の空でさえも、その独特の色に感心していた。
森に近づくと、巨大なゾウが森林の淵で草を食べていた。車道からは距離があったが、それでもガボンのロアンゴ国立公園で見たゾウよりも大きい(およそ1.5倍)のがはっきりと分かった。エトーシャで見たこのゾウはアフリカサバンナゾウといって主にサバンナエリアに生息するのに対し、ガボンで見たゾウはシンリンゾウ(マルミミゾウ)といって主に森林の中で生活している。
初めてのアフリカサバンナゾウを堪能した後は、今日泊まる予定のキャンプ地に向かう車道に戻った。車を進めていると、反対車線に一台の車が。国立公園のレンジャー達が乗っており、先の木の下にライオンのメスがいるとの情報を教えてくれた。残念ながら、ゆっくり通り過ぎるも発見できず。。。しかし、公園に入ってからあまり時間が経たない内にライオンという大型の肉食動物がいる情報を聞いたことで、改めて自分たちが野生動物が生息する大自然の中に身を置いていることを感じた。
北側のゲートから予約していたハラリ(Halali)キャンプに着くまでは、ゆっくり運転していたこともあり3時間かかった。その3時間は、動物の多さに驚きの連続。ほとんどの動物が車を恐れることなく、かなりの至近距離から観察することができた。さらに窓から手を伸ばせば届く距離に動物がいることさえあった。
以下に初日の夕方に見た動物をリストする。
- 大量のシマウマ *あまりの多さに、シマウマに対する興味をすぐに失くしてしまった。
- アフリカサバンナゾウ
- キリン *運転中周りをキリンに囲まれることが何度かあった。
- クーズー
- 大量のヌー
- オリックス
- 大量のインパラ *内2頭は角をぶつけ合って喧嘩をしていた。
初めて自分で運転するサファリを堪能した後、夜の7時半にハラリキャンプに到着した。ゲートに閉門時間があると知らなかったため、キャンプ地に着いた時にはすでにゲートが閉められていた。幸いスタッフの方が気づいて、ゲートを開けてくれたおかげで、無事に受付でチェックインをすることができた。キャンプ内には全部で58のテント設営地があるが、受付の人によると空いている所だったらどこでもテントを張っていいとのこと。比較的シャワーやトイレに近い9番が便利そうだったので、今晩はそこにテントを張ることにした。
キャンプ場に着いた時には、すでに暗く雨も降っていたため、キャンプサイトのレストランで夕食をとることに。私たちがレストランに着いた時には、多くの旅行客がすでにレストランで食事をしていた。迷わずインパラのステーキを注文し、初日にして目でもお腹でもインパラを堪能することができた(特別美味しいわけではなかったが)。
夕食後雨が弱くなったところで、自分たちのキャンプサイトに戻った。持っているテントが防水ではないので、今晩は車で寝ることに。
全日サファリ(2016年12月19日)
翌日の朝6時半ごろには、キャンプサイトにいた人たちの半分以上がすでにサファリに出発していた。私たちも急いで、公園の南側に向かってサファリを開始。前日の北側とは打って変わって、南側はほとんどがサバンナで開けた土地だった。
天気は快晴で、気温も23℃と快適な朝。午前中のサファリではハラリキャンプから1時間の範囲のサバンナを回る。シマウマ、ヌー、インパラは前日同様どこにでもおり、その他にキリンや前日には見れなかったジャッカルも2匹見ることができた。一度すれ違った人にヒョウの家族がいるとの情報を得るも、見つけることは叶わず。。。
正午ごろになると、外の気温も30℃以上になり、ほとんど動物を見ることができなくなった。そのため、キャンプサイトに戻って昼食をとることに。キャンプサイトにある店で薪とマッチを買い、パスタを調理。30℃を超える気温と火のおかげで、昼食を食べ終わる頃には汗まみれになっていた。
昼食を食べ終わるも、まだ気温が高く動物が見れる可能性は低い。しかし、せっかくエトーシャまで来たので、少しでも多くサファリを楽しむために、シャワーの後に再度サファリに出発した。
午後の2時を回り、気温はまだ30℃以上。高い気温のせいかシマウマやヌーのどこにでもいる動物でさえ、数が少なくなっていた。照りつける太陽から身を隠すために、多くの動物が木陰に避難していた。
午後4時を過ぎた頃、ようやく気温が下がり始めた。それと時を同じくして、動物の動きも活発になり始める。そして、まだ目にしていなかったダチョウと、さらにサイまで目撃することになる!
気温が下がり始める少し前に、私たちは公園の北側に向かって車を進め始めた。ハラリキャンプからは少なくても片道2時間以上かかるが、前日の経験から森林エリアの方が大きな動物を見られるような気がしていたため。日没までにキャンプサイトに戻って夕食を作る必要があったので、1時間で北上できるところまで行って引き返す予定。北上する1時間のほとんどが珍しい動物を見ることなく過ぎていった。そして、まさにそろそろ引き返そうかという時に、筋肉隆々のお尻が動くのを見た。親子のサイ!気温が下がって来たタイミングで、水と食事を探しにサバンナに出て来たところだった。30分ほど時間を忘れ、サイの親子を目で追っていた。おかげでキャンプサイトに戻る頃(午後7時ごろ)には、日はほとんど地平線に消えており暗くなってしまっていた。
全日サファリで観察できた動物たちは以下。
- 2匹のジャッカル
- 大量のヌー
- 大量のシマウマ
- 大量のインパラ
- キリン
- 首の太い白い鳥
- 3羽のダチョウ
- ハゴロモヅル
- 2頭のシロサイ
夕食後キャンプサイトの裏まで歩き、動物が集まる水飲み場を見に行くも、何も見ることができなかった。乾季だと水が限られていて、動物もキャンプサイトの近くの水飲み場に集まるらしいが、12月は雨季のため見れる可能性は低いとのこと。動物は見れなかったが、水飲み場までの道は暗く、空に広がる満天の星を眺めることができた。星を通して、改めてアフリカ大陸の大自然を身に染みて感じた。またエトーシャが野生動物が観れるサファリだけではなく、壮大で綺麗な景色も併せ持っていることを知った。
朝のサファリ(2016年12月20日)
朝の7時までにはすべての準備を終え、エトーシャでのサファリ最終日を迎えた。昨日よりも少し出遅れたせいか、前二日よりも心なしか動物の数が少なかった。しかし、最終日に相応しく、まだ見れていなかった動物にも出会うことができた。
午後には公園の南西にあるアンダーソン(Anderson’s)ゲートから出る予定だったので、ハラリキャンプから西に向かって車を進めた。西に進むにつれて、土地がどんどん干上がっていき、雨季であるにも関わらず緑が減り続ける。すでに数えられないほどのシマウマ、ヌー、インパラを見てきたが、いざあまり見れないとなると少し寂しい気もした。
西に向かう途中にある小さい灌木のエリアを通過している時に、突如この日最初のサプライズが起こった。立派な角を持つシロサイが木々の間からこちらを見ていた。サイはすぐに立ち去ってしまたが、サイを面と向かって観察する最高の機会だった。さらに灌木エリアを過ぎてすぐの所にも、一頭の食事中のシロサイが。このサイは角が削り取られていたためか、心なしが表情が悲しげ。密猟者の被害にあったのかと思っていたが、後に公園のレンジャーたちがサイの命を守るために角を切除したと聞いた。密猟者の狙いはあくまで角で、それを取るためにサイを殺す。なら、角を取ってしまえば、密猟者にとって価値がなくなるので、殺されないということらしい。
午後11時ごろにオカクエジョ(Okaukuejo)キャンプサイトに到着するも、まだ時間があったのでさらに西に向かうことにした。オカクエジョより西のエリアは今まで2日間に見てきた景色とは全く違っていて、緑もほとんどなく干上がった土地が続く。乾いた土地には、地面に穴を掘るリスやキリンの死骸など違ったものを見ることができた。乾いた土地に動物の死骸という景色が、自然の厳しさを物語っていた。厳しい土地にも関わらず、1時間の西側のサファリでも、ダチョウや、生きているキリン、オリックス等の動物がたくましく生きているのを目にした。
西側のサファリを終え、エトーシャ国立公園を出ようとゲートに向かっている途中で、最後のサプライズに遭遇した。オカクエジョ(Okaukuejo)キャンプサイトからアンダーソン(Anderson’s)ゲートに向かう道路の途中で、なんと雄のライオンが木陰で横になっていた!見つけた時には、目はつぶってはいるものの顔を上げていたが、すぐに昼寝モードに。エトーシャ最終日にして、ようやく大型の肉食動物を見ることができた。このライオンは間違いなくエトーシャ国立公園でのハイライトになった。
朝のサファリで見た動物は以下。
- 立派なたてがみを持つ雄ライオン
- 2頭のシロサイ
- 白い巨大な鳥
- ホロホロチョウの群れ
- 複数のリス
- ダチョウ
- キリン
- ヌー
- オリックス
- シマウマ
- キリンの骨と皮
- ヌーの頭蓋骨
情報
国立公園
エトーシャ国立公園
入園料(外国人): 80 NAD / 人 / 日 + 10 NAD / 日 / 車両 (1から10人乗りまでの車両)
注釈
- 16歳以下の子供は無料
- 入園料はオカクエジョ(Okaukuejo)かナムトニ(Namutoni)のみで支払い可能。ハラリキャンプでは支払い不可
- サファリ中、車から出ることは禁止
ゲートでのセキュリティーチェック
エトーシャ国立公園はガイド無しで運転して周れるため、公園内に銃器などの危険物を持ち込むことが禁止されている。そのため、ゲートにて車と荷物のセキュリティーチェックを受ける必要がある。
ゲートではいくつかの安全に関わる質問とともに持ち物検査が行われた。男性と女性のレンジャーがそれぞれ男性と女性の荷物を検査する。荷物検査の他にもに、分証明とキャンプサイトの予約の確認が行われた。
私たちの体験
- 個人的な見解だが、公園の北側の方が森のエリアもあったりと土地の性質に幅があったため、比較的多くの動物を見れた気がする。
- 車に慣れている動物も多いが、ゆっくり運転する(または停止する)と動物たちも警戒を解いてより近くで観察することができる。
- 他の旅行客と積極的に情報を交換することで、珍しい動物を発見できる可能性も高くなる。
宿泊施設
ハラリ(Halali)リゾート
料金: 150 NAD / 人 + 250 NAD / キャンプサイト
* 2人で一晩泊まるのに、550NAD(=150 * 2 + 250)を支払った。
キャンプサイトの門の開閉時間は日出と日没の時間によって決まる。その日の開閉時間は門の内側に取り付けられている時計で確認ができる。また、日没から日出までの時間は公園内を運転することは禁止。
キャンプサイトの受付で地図をもらうことができる。また、ゲームドライブのツアーも提供されており、受付にて申し込みができる。
各キャンプサイトにはロッジとキャンプ場の2つの宿泊施設がある。各テント設営地は場所によって大小様々だが、1台の車とテントを設営するには十分なスペースが確保されている。以下にテント設営地にある設備をリストする。
- 火を起こす台
- 蛇口のある調理場
- 石でできた椅子とッテーブル *すべての設営地にあるわけではない
- シャワー/ トイレ (きれいで電気も一晩中ついている)
- 洗濯と物干しができる簡易的な建物
- ガソリンスタンド(公園外とほとんど同じ値段) *門を入ってすぐ右
- 店(簡単なキャンプ道具や食べ物を売っている)*受付の隣
- インフォメーションセンター
- プール
キャンプサイトの情報を含むエトーシャ国立公園の詳細はエトーシャ国立公園のホームページ (英語)を参照。
食事 / レストラン
ハラリ(Halali)リゾートレストラン
料金: 221NAD インパラのステーキとスープ(135+55+15%VAT)
レストランでは室内席とテラス席を選ぶことができる。1人1品は注文する必要があり、1品を2人でシェアするのは不可。料理の味もサービスも悪くはなかったが、特別美味しいわけでもなかった。
キャンプサイト内には、レンストランの他にバーや食料品を売っている店もある。