マダガスカルの旅行は首都アンタナナリボから始まった。地元ではアンタナナリボはタナと呼ばれている。
アンタナナリボ着いた日の夜
ホステルMadagascar Undergroundに着いたのは、12月23日の日が暮れた頃。事前に予約をしていたので、チェックインはスムーズ。遅くなる前に夕食をしたかったので、部屋に荷物を置いてすぐに、スタッフおすすめのレストランに向うことに。
玄関のドアに「深夜や暗くなってから、一人で出歩くのは危険」との注意書きがあったため、同じタイミングで夕食に行こうとしていたアメリカ人のグループと途中まで一緒に行くことにした。
彼ら(アメリカ人)はマダガスカルで英語を教えるボランティアをしているらしく、タナ(アンタナナリボ)には数日の休暇を利用して遊びに来ているとのこと。モロンダバ(Morondava)に向かうつもりだと伝えると、マダガスカルで訪れた中でもお気に入りの場所の一つだと教えてくれた。
ホステルでオススメされたレストラン、サカマンガ(SAKAMANGA)は地元の料理も提供されていたが、明らかに旅行客用の場所だった。間違いなく今回の旅行の中で一番の高級感漂うレストラン。地元の人が行くようなレストランではなかったが、あまりに気に入りすぎて、2度もレストランに足を運んだ。
4ヶ月の旅行を振り返って、美味しかった食事について思い返すと、いつもマダガスカルが最初にくる。もちろん、サカマンガがその理由の一つであることは言うまでもない。今回訪れたアフリカの国々の中でも、マダガスカルは特に貧しく物価が安い。またフランスに統治されていただけあって、料理の質も高い。マダガスカルに行く機会があるなら、ぜひサカマンガを含め、マダガスカルの料理を楽しんでほしい。
(2日目)アンタナナリボでの一日
午前
到着日の翌日12月24日は、朝8:30ごろに目が覚め、ホステルのスタッフおすすめのLa Rucheというパン屋に朝食を食べに行った。朝早すぎたため、まだLa Rucheは開いておらず、周辺を散策することに。
クリスマスイブだったためか、タナの中心にある広場ではイベントの準備が進んでいた。子供用の乗り物やゲームの他にも服や食べ物(綿あめまで)といろんな出店があった。またイベントは始まっていなかったが、広場にはすでに人が集まり始めていた。その人たちに混じって、ストリートチルドレンと思われる子供達が、ボロボロの服に裸足という出で立ちでいたのが印象的だった。
9時を回り、再度La Rucheに戻ると、すでに何人かが席について朝食を食べていた。サカマンガ同様、La Rucheも私たちのお気に入りの場所になった。しかし、サカマンガとは違い、La Rucheは地元の人も来るパン屋で、値段も安く、値段に少し幅があるものの、総じて一つ60円ほど。オーナーの人も親切で、店から出る時には、スリに気をつけなさいと注意してくれたほど。
朝食後に広場に続く道に出ると、イベントのために人がごった返していた。大人も子供も乗り物や買い物を楽しんでいる様子。何も買わなかったが、マダガスカルでのクリスマスイベントの雰囲気を楽しむことができた。
ホステルに戻る途中、ザクロ味のファンタを発見。興味本位で購入するも、あまりの美味しさにマダガスカル滞在中は、見つけるたびに飲んでいた。かなりオススメのご当地ファンタ。
午後
昼食にはFataperaというレストランへ。このレストランはホステルのスタッフに、地元の人が行くレストランのオススメというリクエストで教えてもらった。
Fataperaまでは、Madagascar Undergroundから丘の上まで上がる必要があった。ホステル前の階段を登っていると、子どもと抱きかかえた母親が物乞いをしていた。対照的に、その階段の上には、外国人旅行者向けに景色のよく見えるバーと、貧富が隣り合わせのタナを象徴するかのような情景だった。
階段と坂を経て丘のてっぺんまで来ると、いつくかの宝石店が見えてきた。宝石店を通り過ぎると、ようやく目的地のFatapera。道中の道は狭い石畳の道なので、走行中の車と通行人の距離が近い。
Fataperaでの昼食もとても美味しかったが、メニューの値段を見る限りは旅行客用のレストランという雰囲気。実際昼時に行ったにも関わらず、私たち以外のお客さんはいなかった。
昼食後は丘のてっぺんにある公園に立ち寄った。いくつかの出店があり、その一つはなんと日清の海外商品Top Ramen。公園を通り過ぎ、市中心の広場に続く階段を降りて行くと、何人かの人たちが歌いながら踊っていたりと、クリスマスイブの週末を楽しんでいた。
Fataperaに向かう階段同様、ここでも陽気に楽しむ人の横では、4歳ぐらいの子供が公園横にあるゴミ山の中から食べ物を漁っていた。
タクシーブルースターミナル(Fasan’ny Karana)
昼食から戻ると、翌日にモロンダバ(Morondava)に向かうためのチケットを買うために、タクシーブルースのターミナルへ。ホステルで行き先を紙に書いてもらい、タクシーで向かった。ターミナルが近づくと、人も多くなり、私たちのタクシーが止まる前に窓からチケットを売ろうとする人たちが溢れていた。
クリスマスイブで地元に戻る人たちが多いのか、ターミナルはすごい人の量。ターミナルにあるバス会社一つ一つを回って、モロンダバに行くバスの予定と料金を確認したが、クリスマスのためか、席もほとんど余っておらず値段も高い。値段の交渉もほとんどできず、翌日に戻ってきて購入することに。
ホステルに戻る時は、タクシーではなくローカルバスに挑戦。140番のバスに乗り込みタナの市街地まで。タクシーブルース・ターミナルからは10分ほど歩いて、大通りまで行く必要があった。
ローカルバスには料金の徴収をする人がいて、必要に応じて乗車時に荷物の手伝いもしてくれる。また、道路に交通量が多いので、運転は非常に荒い。乗客が乗り降りするやいなや発進するので、料金の徴収係の人が戻る前に車は動き出す。そのため、バス後方のドアは常に半開き状態で、徴収係が走って飛び乗れるようになっている。バスに乗車中、運転手と徴収係を観察していたが、2人の連携は絶妙でまさにあうんの呼吸。
市の中心に近ずくにつれ、バスの動きが遅くなった。特に地元の市場を通過する際には、人の量が半端なく、バスは人の歩くスピードと同じになった。そのため、運転手は運転しながら、市場の人からトウモロコシを買っていた。ファーストフードのドライブスルーびっくりするほどの、手際の良さ。
夕方
夕食はまたしてもサカマンガ。クリスマスイブだったため、特別メニューもありクリスマス用のコースメニューを注文。2人分のコースメニューを頼んでも、料金は日本で普通に外食する程度の値段。おしゃれな店内に美味しい料理と、アフリカでバックパック旅行をしているのを完全に忘れるひと時だった。
情報
宿泊施設
Madagascar Underground Hostel
料金:
- 53,000アリアリ / 泊(2人用のプライベートルーム:共有バスルーム)
- 65,000アリアリ / 泊(家族用のプライベートルーム:専用バスルーム)
- 29,000アリアリ / 泊(ドミトリー:一人分)
チェックアウト: 午前11時。受付でチェックアウト後でも荷物を預かってくれる。
WiFi: 有り。しかし、受付の周辺でないと不安定。2階の部屋からはアクセスできなかった。
アメニティ: なし。タオルは有料で借りられる。
食事: 含まれていない。有料で食事と飲み物を頼むことができるが、他の場所と比べると値段は高め。徒歩10分ほどの距離にレストランが複数ある。
2階建ての建物で、一階には共有エリアと受付。受付の裏にも食事ができるテーブルのある共有エリアがある。2階にはテラスとシャワー室(シャワー3つ)にトイレが3つ。毎日キレイに掃除されていた。また、有料だが洗濯のサービスもある。
モロンダバに行く前に2泊と戻ってきてから3泊した。2階にあるプライベートルームは通りに面して大きな窓があるも、空気が循環しにくく少し埃っぽい感じ。部屋にはダブルベッドに棚、テーブルと椅子と少し窮屈。バスルームは共有のものを使用する。コンセントは部屋に2つしかなく、充電するには少し不便。
1階にある家族用のプライベートルームは専用のバスルーム付き。部屋の前後に窓があるため、空気も流れやすく快適。ファミリールームはとても広く、ダブルベッドの他にシングルの2段ベッドがある。収納の棚や机に椅子とソファーまであるが、それでも窮屈に感じない広さ。
ドミトリーも含め3種類の部屋に泊まったが、どの部屋でも快適に過ごすことができた。また、スタッフも親切で質問にも丁寧に答えてくれた。ちなみにドミトリーは男女別だが、シャワー室は男女共用。
ホステル周辺は比較的安全だが、暗くなってからの独り歩きは避けた方がいいとのこと。また、夜間には丘の上は危険とのこと。ホステルの前に丘を登るための階段があるが、その階段にも行かない方がいい。
食事 / レストラン
サカマンガ(SAKAMANGA)
レストランはMadagascar Undergroundから歩いて10分もかからない距離。レストランは清潔で欧米のレストランにいるような内装。
メニューも種類が豊富で、マダガスカル料理もたくさんあった。前菜としてパンとソースが出される。料理はどれも美味しく、スタッフのサービスもしっかりとしている。最初に行った時はメインディッシュを2つにデザートを1つ頼んで、32,000アリアリ。クリスマスイブの夜に行った際は前菜2つ、メインディッシュ2つに、デザート2つで59,500アリアリ(2,000円以下)。
La Ruche
Madagascar Undergroundから歩いて10分ほど。地元のカフェのような雰囲気。サンドウィッチやパンの他にジュースなどの飲み物もある。
地元の人が朝から食べにきている。どれも安く美味しかったが、店内にはハエも多かった。上の写真にある3種類を頼んで、6,900アリアリ。
Fatapera
Madagascar Undergroundからは徒歩約20分。店内は清潔だが、狭くテーブルの数は少ない。頼んだビーフシチューはサイドディッシュの種類も多く美味しかった。1つの注文を2人で分けて、値段は15,000アリアリ。
出店
中心の広場に続く大通りには、たくさんの人が道端でものを売っており、ソーダを一瓶購入した。その場で飲んでガラス瓶を返却すると、700アリアリ。その場で飲まない場合は1,000アリアリ。
交通機関
タクシー
Madagascar Undergroundから坂を下って、数分の距離にタクシーが集まっている場所がある。タクシーブルースのターミナルがあるFasan’ny Karanaまでは15分ほどで、12,000アリアリ。
タクシーにはメーターは無く要交渉。最初30,000アリアリから始まって、最終的には12,000アリアリで決着。ちゃんと値段に同意してから、タクシーに乗り込むこと。
Fasan’ny Karana
タクシーブルース・ターミナル
たくさんのタクシーブルース(長距離バス)会社がFasan’ny Karanaに集まっている。各会社ともにチケットの売り場を表にして、裏手は待合室兼乗り場になっている。チケット売り場には大抵行き先のリストと料金があるが、リストされていない行き先もあったりしたので、実際に聞いて確認した方がいい。ちなみに支払いは現金のみ。
ターミナルはゴミも多く、お世辞にもキレイとは言えない。特に乗り場側にはトイレもあり、かなり臭う。できればターミナルでのトイレの使用は避けたい。
ローカルバス
支払いは現金のみ。バスのドア付近にいる人に料金を支払ってから乗る。タクシーブルース・ターミナル前にもたくさんのローカルバスが通っている。私たちはターミナルから10分ほど歩いた大通りから乗り、Madagascar Undergroundから徒歩5分ほどの場所でおりて、400アリアリ。
行き先を伝えずに、事前に支払ったので、行き先に関係なく一律な料金なのかもしれない。
ATM
Madagascar Undergroundから数十メートルの所にATMがある。もう少し坂を下った所にはセキュリティーが立っているATMもあった。
両替よりもATMから下ろした方がレートが良かった(銀行の手数料による)ので、いつもMadagascar Underground近くのATMからお金を下ろしていた。
アンタナナリボの治安
Madagascar Undergroundのスタッフの人によると、暗くなってからはホステル前にある階段を使って丘の上には行かない方がいいとのこと。パン屋のLa Rucheでは、オーナーにスリが多いので、ポケットとカメラには気をつけないさいと言われた。また、タクシーの運転手には、乗車中もカメラ等は隠すように言われた。ドアや窓をこじ開けて、盗もうとする人がいるらしい。
カバンにはいつも鍵をかけて、移動の際はカメラをカバンに入れる等していた。また、夜間は時々後ろを確認したりと、海外旅行中に気をつけるべきことをしていたら、危ない場面に出くわす可能性は低いと思う。少なくても、私たちがアンタナナリボに滞在中に危険や治安の悪さを感じることはなかった。